店頭で見つけて悩ましさで頭がいっぱい。
長文(2ページ分)ですがご紹介いたします。
発がんリスク「41%増」の研究結果も
アメリカでは昨年もサンフランシスコ州の裁判所が、ラウンドアップ使用でがんを発症した男性の訴えを認め、モンサント社に2億8900億㌦(約320億円)の支払いを命じている。
ラウンドアップの危険性は国際機関も警鐘を鳴らしており、世界的には販売を禁止する国も多い。
だが日本ではこうした世界的な流れに逆行するかのように、政府が安全性を認めるだけでなく、規制を大幅に緩和し販売を促進している。
専門家や消費者団体はラウンドアップの危険性を訴える声を上げているが、
大手メディアは政府やモンサントなど多国籍企業に忖度して沈黙しており、日本国内での認知度は低い。
なお、ラウンドアップの生産・販売権は現在、開発元のモンサントを昨年買収・吸収したドイツ製薬大手バイエルが保有する。
世界最大のアグリビジネスをおこなう多国籍企業として名を轟かせてきたが、
とりわけ除草剤とこれに耐性を持つ遺伝子組み換え種子のセット販売を
世界規模で拡大させることで世界市場を独占してきた。
枯らしてしまう毒性の強い除草剤と、その農薬にも枯れずに耐えうる遺伝子組み換えをした作物(大豆)を開発し、販売することによって大量の作物生産をおこなっている。
けん引する一つが除草剤ラウンドアップだ。
セットで農家に販売してもうけてきた。
日産化学は現在は三代目となる「ラウンドアップマックスロード」を販売しているが、初代の製品は特許が切れており、ジェネリック品がホームセンターや100円ショップでも安く売られている。
6万5000人を調査し、過去15年間でがんの発生率が急増していることを
明らかにした。
大量の除草剤を撒いていることの関連を指摘した。
国際平均と比べて2~4倍になった。
さらに別の研究者はラテンアメリカ、アメリカ、ヨーロッパなどで、
モンサント社のラウンドアップの使用拡大が、脳出血やリンパ腫など重大な病気の発生と関連していることをつきとめている。
遺伝子組み換え作物と除草剤のラウンドアップをセットで販売する強引な商法が広まるなかで、農家やその周辺住民に深刻な健康被害が起こっていることが社会問題化してきている。
さらに、猛毒のグリホサートがついた遺伝子組み換え作物が大量に生産されて
出荷され、最終的には消費者の口に入ることの危険性が指摘されている。
2015年3月20日には、WHO(世界保健機関)の下部組織である
国際がん研究機関は除草剤グリホサートを、2番目にリスクの高いグループ2Aに指定した。
2Aとは、「動物実験での発がん性確認」「人間ではデータ不十分」というもので、人に対しては「おそらく発がん性がある」という分類だ。
さらに今年2月には、ワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると、がんのリスクが41%増大する」との研究結果を学術誌に発表した。
同チームはこれまでに発表された調査結果を検証した結果、グリホサートを主成分とする除草剤と、免疫系のがんである非ホジキンリンパ腫のリスクの増大との因果関係が認められたと発表した。
同チームはまた、除草剤散布を専門とする5万4000人余りを対象に
2018年に実施した実態調査結果もあわせ、因果関係があると結論づけた。
アメリカではラウンドアップが原因で非ホジキンリンパ腫を発症したという訴えもあいついでおり、2017年までに800人以上がモンサントを提訴し、翌年には原告の数が数千人に膨れあがった。
世界的には規制する流れ
ラウンドアップはアメリカのみならず世界各国で販売されており、ラウンドアップの販売中止やグリホサートの使用禁止措置をとっている国も多い。
フランスやオランダはすでに禁止しており、ドイツ、イタリアなど世界33カ国が2~3年後には禁止することを表明している。
フランス政府は今年1月15日、除草剤ラウンドアップとその関連商品の販売を禁止した
オランダ議会も2015年末をもってグリホサートの使用禁止を決定した。
ロシアでは2014年4月5日、ロシア政府最大与党の統一ロシアが、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。
スリランカでも2014年5月12日、政府がラウンドアップの販売を禁止し、2015年6月11日にはグリホサートの輸入を禁止した。
デンマークでは2003年9月15日、政府がグリホサートの散布を禁止した。
デンマーク・グリーンランド地質調査研究所がおこなった検査で、グリホサートが土壌を通り抜けて地下水に到達し、飲料水として許容されている五倍の濃度で地下水を汚染していることを発表したことを受けての決定だった。
日本は逆に大幅な緩和 背後に多国籍企業
日本での動きはこうした世界的な流れに逆行している。
WHOがグリホサートに発がん性の懸念を指摘した4日後の
2015年3月24日、
日産化学は直ちに「グリホサートに発がん性はないと判断している」との声明を出した。
翌2016年7月12日には、内閣府食品安全委員会が「グリホサートに発がん性、遺伝毒性は認められなかった」との結論を出した。
遡れば2000年5月には日本農薬学会が「グリホサートは毒物ではなく普通物」との見解を示している。
さらに昨年12月、厚生労働省はグリホサートの残留基準値を大幅に緩和した。
たとえば小麦で6倍、ライ麦やソバで150倍、ヒマワリの種子では400倍に引き上げた。
これは日本の大手メディアはまったく報道していない。
アメリカでは、小麦の収穫量を増やすために、収穫直前になってグリホサートをまくことが認められている。
これによって大量のグリホサートが残った小麦が輸出に回される。
残留基準値が低いと日本への輸出が困難になるという背景があり、
規制緩和はアメリカ側の圧力によるものだ。
国内で流通する小麦の約90%(約50%がアメリカ産)は輸入品であり、これらの小麦にはグリホサートが収穫前に散布されている可能性がきわめて高い。
今年1月、消費者団体がスーパーで販売されている大手製粉会社3社の小麦製品を調査したところ、12商品中5つからグリホサートが検出された。
ちなみにアメリカで食の安全を訴える市民団体の調査では、
小麦を使用したスナック菓子からもグリホサートが検出されており、
加熱しても分解されにくいことがわかっている。
大手製粉会社3社の見解は「外国産小麦は輸入時に農水省が残留農薬に関する
検査を実施し、安全性を確認したうえで製粉会社に売却している。
残留基準は人の健康に害を及ぼすことのないよう、厚労省により認定されている」といったもので、「問題なし」との対応をとっている。
世界的にモンサント社の除草剤ラウンドアップの販売規制に動くなかで、
日本政府は「安全だ」とお墨付きを与え、規制緩和に動いている。
これはまた、安倍政府が昨年四月から主要農作物種子法(種子法)を
廃止したこととも関連していることが指摘されている。
種子法は戦後間もない1952年に、国民の食料確保に不可欠な優良な種子を、公共財として守っていくという基本的な考え方のもとで制定された。
モンサント社などアグリビジネス関連の多国籍企業は
遺伝子組み換え種子と除草剤をセットで販売しており、
種子法はモンサントなどの種子ビジネスにとって邪魔な存在であった。
猛毒で発がん性が確認されている除草剤ラウンドアップを、
「安全」とだまして販売を促進するのは、国家的詐欺にほかならず、
国民の生命を著しく危険に晒す行為といえる。
2.世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる
毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、世界中の農民や労働者など広範な人人が一斉に抗議行動を
おこなっている。
今年も18日にフランスやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど数百の都市で一斉にデモ行進をおこなった。
行動の主眼はモンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議だ。
ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に始まった「反モンサント・デー」は今年で7回目を迎える。
抗議行動の高まりのなかで、世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっている。
ところがそれに逆行して、日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも販売合戦に拍車がかかっている。
世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが、日本市場になだれ込んでいるといえる。
フランスでは18日、「反バイエル・モンサント」デモに、世界中から数千人が参加した。
フランスは世界第3位の農薬消費国で、ラウンドアップに対して関心が高い。
世界中で200万人以上が参加した第1回目の2013年の行動以来、2015年のデモには世界40カ国以上、約400都市で行動がおこなわれるなど、年年規模が大きくなっている。
同様に土壌細菌や腸内細菌も損なう。
腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、
神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されている。
また、生殖に与える影響も懸念されている。
精子の数の激減、胎児の発育に影響を与える可能性だけでなく、
世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されている。
ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えるといわれるが、グリホサートにも同様に世代をこえた影響が出る可能性も指摘されている。
代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のもので、分解されても動物には同じように死をもたらすことが明らかになった。
「内分泌腺の撹乱」とは、脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることをいう。
世論は明らかに変化している。
発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある
農家を支援するときが来た」との声明を発表した。
ニューヨーク州ではラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されている。
政府は今後3年をめどに農家向けにも禁止すると公表している。
フランスではまた、1700人の医師がつくる連合体がラウンドアップの市場からの一掃を求めて運動を展開している。
バイエル・モンサントを訴えている。
ラウンドアップを多く使用してきたぶどう園などでは、農薬への依存を減らす
動きが活発化しており、条件のいい所では100%使用を減らし、
条件の厳しい所でも70%農薬の使用を減らす計画であり、
ラウンドアップの命運はほぼつきている状況だ。
日本では日産化学工業が2002年5月にモンサントの日本での農薬除草剤事業を買収し、ラウンドアップの日本での販売権を引き継ぎ、「優れた効力と環境に優しい除草剤」などと宣伝してきた。
「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表した。
この評価書を前提に2017年12月には、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和した。
中国からの輸入野菜が農薬まみれで危険だと問題にしていたが、その中国産野菜の方がまだましという殺人的な状況になっている。
ラウンドアップは日本の店頭では「もっとも安全な除草剤」とか「驚異の除草力」とかいった宣伝文句で販売されている。
農協の販売ルートにも乗っており、ホームセンターやドラッグストア、100均などでも大大的に扱っている。またテレビCMや新聞広告もされ、危険性についての説明は一切なく、警戒心なしに購入し使用しているのが現状だ。
日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物輸入国で、日本の遺伝子組み換え食品表示は世界の制度のなかでも緩いため、日本の消費者は知らないうちに大量の遺伝子組み換え食品を食べさせられている。
モンサントのホームページでは「日本は海外から大量のトウモロコシ、大豆など穀物を輸入しており、その数量は合計で年間約3100万㌧に及ぶ。
その半分以上(1600万~1700万㌧=日本のコメの生産量の約2倍)は
遺伝子組み換え作物」で「日本の食生活安定に大きく貢献している」とし、
ラウンドアップとともに「是非、遺伝子組み換え作物の効果やメリットを
目で見て肌で感じて」ほしいと豪語している。⇦怒りで手が振るえる。
こうしたモンサントの要求に応えて、日本政府は、モンサントの遺伝子組み換え作物を、アメリカ政府以上に承認していることも明らかになっている。
TPP11の発効や今後の日米貿易協定などを通じて、今まで以上に遺伝子組み換え作物輸入の圧力がかかってくることは必至だ。
モンサント社(ドイツのバイエル社が買収)は、除草剤ラウンドアップが主力商品で、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%であり、世界の食料市場をほぼ独占している巨大なグローバル企業だ。
同社は、人間の健康および環境の両方に脅威を与えているという理由から
健康情報サイトでは2011年の世界最悪の企業にも選ばれている。
ラウンドアップが世界中で禁止され閉め出されるなかで、
唯一日本政府がモンサントの救世主となって一手に引き受ける段取りをとり、
日本市場になだれをうって持ち込まれている。
国民の健康や生命を危険にさらし、子子孫孫の繁栄にもかかわる国益を
モンサントという一私企業に売り飛ばしていることを暴露している。
何かしら得るものがあるのでしょう、たぶん。
そのことを知りながら、権力者に忖度?し一切報道しないというこの不可解さ。
継続するつもりなら、我々消費者が不買運動やデモを展開するしかない。