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海外で、日本の野菜は”汚染野菜”という認識。

私はこれまで日本の農薬使用は、海外よりも厳しく制限されているとばかり
思っておりました。

それが大きな大きな勘違いだったことが判明しましたので、それについてお話いたします。

奇跡の🍎栽培を成功させた木村氏と高野氏(どういう方なのかは⇩読んで下されば)のお話。

ネット記事のタイトルに引かれて読ませていただいた記事。

現代ビジネスより

日本人だけが知らない!
日本の野菜は海外で「汚染物」扱いされている
2017.01.12

野放しの農薬・化学肥料大国




「奇跡のリンゴ」を作った男・木村秋則と、「ローマ法王に米を食べさせた男」・高野誠鮮の二人が、往復書簡のやりとりで日本の農業の未来を語り尽くした刺激的対論集『日本農業再生論』が発売され、話題となっている。

日本の農産物、まったく安全ではありません

木村 平成27(2015)年7月、イタリアのミラノでスローフード協会が
主催した農業関係者の集いに招待されました。

世界80ヵ国から参加した6000人もの若い農業関係者が一堂に集まり、
そこで私は、「21世紀は農業ルネサンスの時代だ」というテーマで、
肥料、農薬、除草剤を使わない自然栽培で作ったリンゴの話を中心に、
安心、安全な農業を復活(ルネサンス)させようというスピーチをしました。

すると講演後に、一人の若者がつつっと寄ってきたのです。
立派なあごひげのエジプトの青年で、真顔で私の目を見つめ、こう言ってきました。

「木村さん、日本の寿司や和食はとても有名です。でも、本当に安心して食べられるのですか?」

日本の和食は平成25(2013)年にユネスコ無形文化遺産に登録され、
ローカロリーでヘルシーということもあって、世界の多くの人から愛されています。
なのにこの青年はなにを言ってるのだろう。もしかして福島第一原発の事故による放射能汚染のことが心配なのかなと思って聞いてみたら、

「いいえ。チェルノブイリ原発事故の例があるから、放射能汚染の深刻さはわかっています。
それではなく野菜の硝酸態窒素の問題です。
日本では硝酸態窒素が多く含まれた野菜をいまだに売っていると聞いています。
なぜ日本人はそんなに無防備なのですか?」

と。すると「そうだ、そうだ!」と言わんばかりに、肌の色の異なった20人ほどのでかい若者たちに囲まれて、「日本の食材は本当に安全なのか」と、つるし上げを食らったんです。 

皆さんは聞き慣れない言葉かもしれませんが、硝酸態窒素は多くの病気の根源とも言われている怖ろしいものです。

パニックになる数字

さらに危ないのは化学肥料を施しすぎた野菜で、要注意です。

ヨーロッパでは硝酸態窒素に対して厳しい規制があり、EUの基準値は現在およそ3000ppmと決められています。それを超える野菜は市場に出してはならない。汚染野菜として扱われるのです。

ところが日本にはその基準がなく野放し。農林水産省が不問に付しているからです。

スーパーで売られているチンゲンサイを調べたら硝酸態窒素、いくらあったと思いますか? 
1万6000ppmですよ! 
米はどうか? 最低でも1万2000ppm。
高いほうは……とんでもない数値でした。ここには書けません。
皆さん、パニックになってしまうから。

それに比べて自然栽培農家の作ったコマツナは、わずか3・4ppmでした。

農薬も問題です。
日本は、農薬の使用量がとりわけ高い。
平成22(2010)年までのデータによると上から中国、日本、韓国、オランダ、イタリア、フランスの順で、単位面積あたりの農薬使用量は、アメリカの約7倍もあります。


残留農薬のある野菜を食べ続けると体内に蓄積されていって、めまいや
吐き気、皮膚のかぶれや発熱を引き起こすなど、人体に悪影響を及ぼすとされています。
日本の食材は世界から見ると信頼度は非常に低く、下の下、問題外。

もう日本人だけなのです。日本の食材が安全だと思っているのは。

ヨーロッパの知り合いから聞いた話ですが、日本に渡航する際、このようなパンフレットを渡されたそうです。

「日本へ旅行する皆さんへ。
日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。
あなたの健康を害するおそれがあります」


今現在、世界中で行われている栽培方法は三つあります。

一つはほとんどの国でやっている化学肥料、農薬、除草剤を使う
一般栽培。慣行栽培とも言われています。
これが現代の農業の主流です。

もう一つは牛や豚、鶏などの家畜の堆肥をおもに使う動物性有機肥料や
アシなどの植物や米ぬか、ナタネの油かすなどの植物性の有機肥料を施すもの。
日本ではいわゆる有機JAS栽培、オーガニックとも呼ばれています。

これは国が認めた農薬を使ってもいいとされています。

それから三つめは私が提唱する肥料、農薬、除草剤を使わない自然栽培。
化学肥料はもちろん有機肥料もいっさい使いません。昭和63(1988)年に私が成功させた方法ですが、まだ耕作者は少なく実施面積は小さい。
日本だけで栽培されているんです。

東京五輪と農業

そして農業革命、これも三つあるんです。

一つは化学肥料、農薬、除草剤が研究開発されたこと。

二つめは遺伝子を操作した遺伝子組み換え作物ができたこと。

三つめは私が提唱する自然栽培。肥料や農薬を使わずに永続栽培が可能で、地球環境の保全と食の安全が期待できる栽培方法ということで、第三の農業革命と言われるようになりました。

今、世界で一般的に行われている慣行栽培は、体への害を考えるとけっして勧められるものではありませんが、すべてが悪いとは私は言えません。
化学肥料と農薬があったからこそ大量生産が可能になり、飽食の時代を迎えることができたんです。
除草剤があったからこそ農家も草むしりなどの重労働から解放されたんです。

ただ、長い年月使ってきたために環境がどんどんどんどん破壊されていった。

化学肥料や農薬、除草剤を田畑にまくと、汚染物質が地下水に混じります。
汚染された地下水は川に流れ込み、やがて海に出て行きます。

すると海ではプランクトンが汚染物質を食べるために大量発生し、
その呼吸熱で海温が上がり、台風が発生していく。

平成21(2009)年、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が、地球温暖化の新たな原因について発表しました。

NOAAが原因として指摘したのは、農薬や化学肥料、家畜の排せつ物などに含まれる亜酸化窒素ガスです。
このガスの増加によって、オゾン層の破壊が進み、地球温暖化に拍車をかけているため、早急に排出削減に向けて、これらを使わない栽培を研究開発することが急務であるとホームページに掲載されたのです。

亜酸化窒素ガスは地球温暖化の原因の一つといわれる二酸化炭素の310倍の温室効果があるという驚きの報告もありました。

私は30年ほど前から自然栽培の指導とあわせて農薬や化学肥料の危険性、そして硝酸態窒素の危険性を訴えてきたのですが、耳を傾ける人がほとんどいませんでした。

イタリアで20人の大柄な若者たちにつるし上げを食らったとき、震える思いでいたら、一人の若者がさらにこう加えたのです。

「2020年は東京でオリンピックが開催されますね。
けれど選手団のために自国の野菜を持って行ったほうがいいのではないかと、皆で話し合っているんです」

硝酸態窒素や農薬まみれの日本の野菜や果物は危険すぎる。
東京オリンピック・パラリンピックでは国の代表である選手団の口には
入れさせたくない……。

彼の言ったことはもっともです。
けれどそれで引き下がるのは、あまりに悔しい。そこで、私はこう答えたんです。

「ご指摘のとおりです。
けれど今、私が勧める自然栽培に賛同してくれる仲間が日本各地に増えています。
肥料や農薬を使わない自然栽培の野菜には、硝酸態窒素も残留農薬も
これっぽっちも含まれていません。

オリンピック・パラリンピックのときまでには、皆さんが驚くほど世界一安全な食を提供できるようにしましょう。
そして選手村では、自然栽培の野菜や果物でおもてなしできるよう働きかけます!」


化学肥料は「邪悪の根源」

高野 日本は農薬大国、化学肥料大国です。海外では日本の農産物は
「汚染野菜」扱いされているんです。
一方、木村さんが始めた自然栽培は、メイド・イン・ジャパンとして世界に誇れるものです。
東京オリンピック・パラリンピックの選手村での自然栽培の食材提供、
私は大賛成です!


窒素、リン酸、カリウムなどが入った化学肥料や、牛や豚、鶏の糞尿からできた堆肥による有機肥料もいっさい使わない。
さらに農薬や除草剤も使わずに、植物が本来備えている自然の力を引き出して健康・安全な作物を育てる。
このような自然栽培をやっているのは日本だけです。
木村さんが苦難の末に生み出し、広めた農法です。

7年前に自然栽培でリンゴを作ったという話を聞いたときは、
正直、眉唾物でした。そんなことできるわけがないと。
当時私は、石川県の能登半島の付け根にある羽咋(はくい)市役所の農林水産課に勤務しており、65歳以上の人が半数を超す限界集落の神子原(みこはら)地区の活性化のためにIターンの若者を呼んだり、ローマ教皇(法王)に神子原の米を献上して米のブランド化に成功するなど多忙な日々を送っていたのですが、自然栽培の話を聞いたとき、ちょっと待ってくれよと疑いながらも、どこかピンとくるものがあったんです。

そこで若い職員を木村さんの一番弟子のところに偵察に行かせました。
岩手県の遠野市で自然栽培でリンゴ作りをしている佐々木悦雄さんのもとへです。

数日後、「できます、これは!」と職員たちが目を輝かせて戻ってきました。
写真を見、報告を聞くと、どうやら本当の本物のようでした。

そこですぐにアポイントを入れて、羽咋から木村さんの住む青森県の弘前まで車を飛ばしたんです。
ちょうどその年(2009年)のアメリカの権威ある科学雑誌『サイエンス』に、化学肥料が地球温暖化の原因だと書かれてありました。
いや、そんな生やさしい表現ではない。
「evil」、【邪悪の根源】と書かれてあったんです。

地球温暖化は大気中に大量に排出された二酸化炭素やメタンガス、フロンガスなどにより太陽からの熱の吸収が増えた結果、気温が上昇することです。
その最大の原因が化学肥料に含まれる亜酸化窒素ガスだと

化学肥料を畑に10㎏まいたとしても農作物が吸収するのはわずか1~1.5㎏。
あとは雑草や土が2~3㎏吸収し、残りの5.5~7㎏は、気化して亜酸化窒素になり大気中に拡散します。
これが温暖化のいちばんの原因らしいのです。
つまり温暖化のおもな原因を作ったのが農業であるということです。

木村さんがおっしゃるように日本は世界でも農薬を多量に使っている国のひとつです。
そして化学肥料も単位面積あたりの使用量は傑出して多い。
日本は農薬大国、化学肥料大国なんです。

化学肥料を使えば使うほど温暖化は進んでいく。
その先頭に立って地球を汚している国の一つが日本なんです。
これは日本人としてとても恥ずかしいことです。
少しでもそれを止めるには化学肥料や農薬をいっさい使わない自然栽培を広めるしかない。
これが新しい使命だと確信したんですね。

そこで木村さんにお目にかかってすぐに、

「自然栽培の実践塾を開いてください。先生と同じことができる農家を100人も200人も増やしたいんです」と口説きました。

木村さんと同じ農法の生産者を増やさないと地球が危ないんです。木村さんはこう言ってくれました。

「やろう。塾開こう。他のスケジュール全部つぶしてでも羽咋へ行く」

世界に誇れる農産物を

木村さんも地球がどれだけダメージを受けているかを痛いほどわかっていた。そして環境汚染から地球を救うために、残された時間はもうあまりないということも。

翌年の平成22(2010)年から羽咋市の自然栽培の取り組みが始まりました。
JA(農業協同組合)にも協力してもらい、日本で初めて行政とJAが組んで自然栽培の普及活動を行ったのです。
しかもそのとき木村さんは、自然栽培のノウハウをすべて教えると言ってくれたのです。

「なんでも教えます。私、特許取ってないから」

――木村秋則。この人は本物だと思いました。

アベノミクスの「三本の矢」の一つ、成長戦略のなかに農業が位置づけられているわけですが、まさに東京オリンピックが開催される2020年までに農林水産物の輸出倍増をうたい、1兆円規模に拡大すると言っています。

けれど硝酸態窒素の例を見ても明らかなように、現状では日本の農産物は「汚染野菜」とされて海外に輸出できないものがとても多いのです。

けれど自然栽培で作られた作物は違います。

1950年代に工場の廃液により水俣病と呼ばれる公害病が起きた熊本県の
水俣で、松本和也君という若い農家が、
「日本でいちばん汚されたところから、世界でいちばんきれいなものを作っていこう」と、12年前から3.6haの茶畑のうち半分以上の面積を自然栽培で、残りを無農薬・無化学肥料栽培でお茶を作っています。

彼の作る緑茶とほうじ茶は硝酸態窒素や残留農薬に厳しいドイツへ輸出されて、そこからEU圏内に渡っています。
また、紅茶と釜炒り茶はイギリスに輸出されてロンドンの人たちに愛飲されています。
体に害を与えるものが検出されないから、ほとんどフリーパスで
楽々と検査を通るんですよ。

自然栽培の食材はメイド・イン・ジャパンとして世界に誇れるもの、広めていけるものなんです。

記事はここまでですが、農薬と化学肥料が温暖化を加速させている原因とは全く想像さえしておりませんでした。

過去のblogに「硝酸窒素」のことを書いたことがあったと思います。
日本はついこの間まで、水道水にも多く含まれていたとも書いた気がします。

このまま農薬や化学肥料を使って野菜などを作っていたら、
そのうち海外旅行者が日本のものは食べられない、
日本の食べ物は危ないとして輸入するのを拒まれるなど、
あり得ない話ではない。

そこまで書いたような気がします。

もう既に海外の人々から、日本の野菜が危ない『汚染野菜』だと思われていたことを知りませんでした。
まさかもうそういう認識になっていたのですねぇ~。

知らぬは自国民ばかり也。

ただ意外だったのは、高野氏の提案で木村氏の自然農法の講義が行われた際に、地元のJAが参加していたことです。
そもそも”JA”は農林水産省とともに、農薬、化学肥料を農家さんにドンドン使うように広めてきた経緯があります。

その”JA”が自然農法なんて、本気で取り組もうとしているのでしょうか?
JAにとっては、農家さんに無農薬、無化学肥料で作物を作られるのは、
非常に困るでしょう。
それらを売って商売している大元締めですから。

農薬・化学肥料のない作物を毎回口にしたいのはやまやまですが、食費にかけるお金も限られますから、私の場合、一番良く食べるお米だけは自然農法米に切り替えました。
有機農法米よりもお米がたくましいというか、弾力があって力強いように思います。

この間、この自然農法米を麹にするために蒸し米にしたところ、蒸し米が今までのお米と違って、張りがあり菌種をつけるときも、弾力がありすぎて正直驚きました。

岩澤氏がおっしゃっていた通り、肥料を与えなくても、根を隅々まで伸ばし逞しく育つ。
その結果がこの力強いお米になっているのだなぁと実感しております。

韓国では有機農法を行う農地が広がってきているとのこと。
このまま日本が農薬・化学肥料大国であり続けていたら、本当に情けないのひと言です。

by kamosiya | 2020-02-16 20:28 | 食生活 | Comments(0)

麹作りに魅了され発酵食品を作り、心や身体に良いと思われることを追求して参ります。


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